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2023年4月26日

2023年3月期決算説明会 主な質疑応答

 2023年4月26日開催の2023年3月期決算説明会の主な質疑応答をお知らせします。

【'23/3期業績、'24/3期予想について】

'24/3期計画の売上高、営業利益の内訳についてプラントエンジニアリング事業(以下PE事業)、サービスソリューション事業(以下SS事業)の内訳と、さらにPE事業に含まれる海外事業、SS事業に含まれるPPP事業について教えてください。

 '24/3期の計画ですが、売上高はPE事業で約900億円、SS事業で約650億円。営業利益は、PE事業で約40億円、SS事業で約60億円を予定しています。PE事業に含まれる海外事業の売上高は240億円レベル、営業利益が20億円レベルの予定です。SS事業に含まれるPPP事業の売上高は340億円レベル、営業利益が27億円レベルの予定です。

'23/3期の海外事業とPPP事業の実績も教えてください?

 海外事業の売上高が260億円、営業利益が17億円。PPP事業の売上高が357億円、営業利益が20億円です。

'23/3期の海外事業は何故想定以上に良かったのか、今後の継続性についても教えてください。

 海外子会社では必要部材・部品の不足を予測し在庫を確保していたことによるものです。通常は納期が間に合わず出荷ができない場合は受注をお断りするケースもありますが、今回は市況を先読みし商機に繋げ、それが業績に貢献してくれました。今後の伸びしろとしては、クロスメディアフィルターや、セラミック膜など特殊かつ強い製品で、堅調に成長していくと考えています。

海外事業の'24/3期計画が減収増益となりますが、どのように理解すればいいでしょうか?

 海外子会社については'24/3期は少し落ち着きますが、国内で行っている海外向け案件が好調で利益貢献する予定です。

PPP事業の'24/3期も減収増益ということですが、どのような背景があるのでしょうか?

 同事業に含まれる、メタウォーターサービス㈱で、ユーティリティコストの改善などを含め増益に転じると見ています。

PPP事業のうち、㈱みずむすびマネジメントみやぎは、'24/3期どのような見通しでしょうか?

 売上高はそれほど変わりませんが、利益が若干上がる想定です。

'23/3期は非常に強い受注高でしたが、今後、何年程度で売上展開されるのでしょうか?

 先ほど説明しました大阪市の事案を例にとると、初年度の売上高はほとんどゼロで す。2~3年、4年目ぐらいから50億円、100億という形で進行基準売上を計上し、完工は5年半先になります。

'23/3期に工事損失引当を計上しましたが、今後も発生するリスクはあるのでしょうか?

 約5年前に納入した設備の性能維持および原価悪化などの影響によるもので、この事案の特質的な部分に起因するもので、他工事についての影響はありません。

中長期的業績の見通しについて

説明スライドで、受注高は単年度での増減がありながらも中長期的に見れば上がってきているというお話だったと思います。2,000億円の売上達成に向けて、国内事業の中長期的成長、市場環境の継続性について、どのような手ごたえや見通しを感じられているのか教えてください。

 国内の中長期的な市況感ですが、国内上下水事業、資源環境事業も、自治体予算は5~6年前から下がり続け、ここ2~3年はほぼ横ばいの状況で推移しています。このような中、従来自治体が行ってきた事業を民間に委ねるDBOやPPPで発注されていますが、トータルの水道事業、下水道事業というカテゴリーからいけば大きな変化はありません。こういった事案を受注することで、当社が業績を伸ばしており、今後もDBOやPPP案件は増え、大型化していきます。これらを確実に受注することで着実に成長に繋げていきたいと考えています。
 設立20年にあたる'28/3期の売上高2,000億円にむけて、従前はオーガニック成長による1,600億円の売上高に400億円のM&Aと申し上げてきましたが、現在ではオーガニック成長で1,700億円、M&Aで300億円位となるなど2,000億円のビジビリティが高まってきたと考えています。

大型案件に限らず長期化案件の増加により、売上高の伸び率は滑らかになるのでしょうか?

 自治体の当該年度に執行する予算が厳しくなり、従前2年で済んでいた工事が3年になるなど、工期が長くなる傾向があり、案件によってかなり差があります。仮に工事の進行を早めても建業法により、下請企業に対する支払い期間が短縮されたことで期末における当社の資金負担が増加してしまいます。売上伸長が緩やかになっても、しっかりとコストダウンを推進し、社内の合理化を進めて、無駄を少なくして利益をあげられる体制にしていくことが一番重要だと考えます。

ここ数年、案件の粗利率が若干改善してきているとのお話でしたが、海外事業が好転しており、増益となる要因が出てきたと思います。'24/3期計画では、案件の収益改善や海外事業の好転を期待してもよいのでしょうか?

 国内ではコンセッションなど幅広く運営事業に範囲を広げており、収益が厳しい案件も ありますが、新たな事業領域を拡大する戦略をとっています。一方、海外事業は、クロ スメディアフィルター、セラミック膜など強い製品で優位に展開できていますが、'23/3 期については想定以上に良かったとみています。'24/3期については、しっかり状況を 見極めていく必要があると思います。 現在、コロナ禍で進展していなかったM&Aも検討しており、販路の拡大も含め積極的に海外事業を推進することで中長期的には確実に伸長するものとみています。

御社の営業利益は、過去5年を見ると年平均5~6%伸長してきたと思います。今後3~5年の利益水準の目線を教えてください。

 受注高は好調に推移しており、売上高も確実に増加していることから、営業利益を 100億円以上に増加していければと思います。営業利益率は、当面は6.5%~7%弱位で推移すると見ていますが、人的投資、基幹システム更新に伴う減価償却費もあり、次期中計でも大幅に改善というわけでなく、長期的に7%以上を目指していきたいと思います。

資本政策について

自己株の消却は何故全数を消却しないのでしょうか?

 約半分位消却し保有割合を発行済株式総数の5%以下としました。今後は役員のインセンティブ報酬に加え、従業員への割り当てのための制度設計を検討しているところです。先ほどの「従業員ベースアップ、処遇改善」の折り込みは、主に一般社員を対象としたものですが、管理職に対してはインセンティブ報酬として、自己株式を有効に活用したいと考えています。

御社のバランスシートは、ネットキャッシュで自己資本比率も40~50%ぐらいです。今後、レバレッジを掛けていってROEを高めていくべきだと考えていますか?

 当社は公共事業を手掛ける特性上、経営の健全性、安全性の指標として、自己資本比率40%強を維持したいと思います。一方で、資本の効率化は進めていく必要がありバランスをとりながら柔軟に考えていきたいと思います。

御社のビジネスモデルでは、それほどアセットが必要ではないと思います。自己資本比率を現状の水準で保つとすると、毎年、利益が積み上がるわけですから、有利子負債を増やしレバレッジをかけていくということでしょうか?

 今後のビジネスを考えますと、事業拡大のために何かしら手を打っていく必要があり、有利子負債は増加する方向だと考えます。

株式需給緩衝信託は、大量に保有している大株主の株式を同スキームで流動化することを目的としたと認識していますが、発表後の株価低迷で御社自身も売却損を計上し、マイノリティ株主も損害を被っています。何故このスキームを選択し、この状況に対してマネジメントとしてどのようにお考えかご説明いただけますでしょうか?

 株式の流通量を増やしたいという思いから、株式需給緩衝信託を取り入れました。当日出来高の10%を市場に売却することで、できるだけ市場にインパクトを与えないというスキームですが、結果的に市場にインパクトを与えてしまい株価が低迷しました。 今後、今回と同様のケースがあった場合、当スキームは採択しません。

取締役会では、株価下落について事前に議論は十分にされたのでしょうか?

 他の先行事例に鑑み、リスクについて議論をしました。ある期間限定的なものと見ていましたが、想像以上に下落幅が大きかったと思います。

今後、大株主2社が御社の株を売却する際は、市場のインパクトを抑えるため自社株買いを絡めるなどの対応についてどうお考えでしょうか?

 既存株主にこれほどの迷惑を掛けないためにも、今回の失敗を反省に次に繋げ、慎重に検討したいと思います。自社株買いも含め様々な手法があろうかと思いますが、 今後は株式需給緩衝信託を採用しない旨、皆さまにお伝えしたいと思います。

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